目の中には水晶体というカメラのレンズに相当する組織があり、遠くのものや近くのものにピントを合わせる大切なはたらきをしています。
近くのものを見るときには、水晶体を吊り下げている毛様体小帯という線維がゆるみ、その結果、水晶体の厚みが増して近くのものにピントを合わせることができます。 しかし年齢とともに水晶体は固くなり、毛様体小帯がゆるんでも水晶体の厚さを変えることができなくなってきます。 そのため、近くのものにピントを合わせることができなくなるのが老眼です。
老眼が始まると近くの細かい字が読みづらい、また近くから遠くへ、遠くから近くへと距離の違うものにピントを合わせるのに時間がかかるようになってきます。
たとえば、新聞や辞書などの細かい字を読むとき、以前よりも目から離さないと読みづらくなりますし、少し暗くなると本などの字が読みづらくなります。
老眼は加齢による生理現象ですから、白髪と同じようにどんなヒトにも同じように起きてきます。 たいていのヒトは、40歳ごろから老眼の症状を自覚し始め、43歳くらいで老眼鏡が必要になります。 老眼鏡を使わないで見えないのを我慢していると、老眼に眼精疲労が重なって体調が悪くなることがあります。 その結果、目や頭が重い、頭痛がする、肩こりがする、食欲がなくなるなど、いろいろな症状がでてきます。